高齢の両親と離れて暮らしている場合には、万が一、両親になにかがあったとき、すぐ駆けつけられる体制を整えておきたいものです。そんなときに頼りになるのが、セキュリティ会社などが提供している安否確認サービスです。一口に安否確認サービスといっても、実際にはさまざまな種類があります。専門のスタッフが高齢家族の自宅に定期的に訪問し、健康状態や食生活の状態を報告してくれる訪問型や、人の動きを感知するセンサーを高齢家族宅に設置し、安否確認をおこなうセンサー型などが安否確認サービスの典型です。
安否確認サービスが必要とされているのは、社会全体の高齢化が進むなかで、元気な高齢者が増加しているのが一因です。元気な高齢者は自分はまだまだ大丈夫とか、子供の世話にならなくても生活できるという意識を強く持っています。そのため、子供が同居を持ちかけても、施設に入ることを勧めても、なかなか首を縦に振ってくれません。
しかし、そんな元気な高齢者でも、老いは日々確実に進行していきます。それまで元気に生活していた高齢者が、ある日突然倒れ命を落とすケースも少なくありません。このような万が一の事態のとき、なんらかの安否確認サービスに登録していれば、別居している家族は高齢家族のピンチをすぐに察知できます。そうすれば、すぐさま高齢家族のもとに駆けつけるなり、119番通報するなり、高齢家族の状態に見合った対処ができます。このように、介護における安否確認サービスは、同居や施設への入所に難色を示す高齢者とその家族をサポートする高齢化社会に欠かせないシステムなのです。